ボートをレンタルするお店の場所がわからず適当に歩いていると、とつぜん道の端からフィリピン人の女の子が現れ、「Who is Soboro?」と。
その子の名前はMae。ぼくたちがボートを予約したお店のアシスタントでした。ものすごい偶然だったと思います。
無邪気で笑顔がキラキラしていて、まるでディズニー映画のヒロインのような子でした。このあと海で一緒に泳げるなんてことを考えたときは幸せすぎて爆発しそうでした。
そして、ボートが到着したのでみんなで乗り込み出発したのですが、ボートにMaeの姿はなく、それから二度とMaeと会うことはないのでした。
どうやらボートに同乗するスタッフではなかったようです。やりきれない気持ちでいると、すでにボートは沖まで出ていて、見ると四方八方に広い海と青い空が広がり、海は透き通っていて、水中で泳ぐ魚が見えるほどでした。
地球の大きさと美しさに感動し、まさに「speechless」でした!(「speechless」とは「言葉にできない」という表現を用いる際に使用します。)みんなMaeのことなんて忘れていました。そしてとつぜん、ひろし先輩が「バク宙していいですか?」と言い出しました。
第4話につづく
そぼろ