さて、自称教師たちの家に遊びにいくことになったわけですが、何も準備をしないではさすがに行かれません。
フィリピンでは、物盗りには遭うけれども殺されまではしない、と聞いていましたので、最悪身ぐるみを剥がれても大丈夫なように、貴重品は全て部屋に置いていきました。
クレジットカード、キャッシュカード、パスポート、スマホなどですね。
連絡手段は必要と思ったので、現地で買った500ペソくらいの携帯電話だけは持っていきました。現金も必要最低限にし、靴底に100ペソを忍ばせるという念の入れようです。さらに寮で同室の人たちにも事情を説明し、何かあったときはよろしく頼むとお願いしておきました。
そこまで用意したところで、いざ待ち合わせ場所へ。SMモール内の、というか前日コーヒーを飲んだ店の前に朝10時集合で、しばらく迷いつつも何とか合流に成功します。
相手方は昨日の三人に加え、若い兄ちゃんが一人来てました。その人の運転する車で家に向かいます。
そして、移動中の車内で、アヤしさが漂い始めました。
初めはただ雑談をしていたのですが、なぜだか妙に、紙に数字とサインを書かせようとしてきます。たしか、もしセブで部屋を借りるならいくらぐらいの家賃がいいか、よければ紹介するが、という話だったような。しかし白紙にサインすることほど危険なこともないので(しかも数字付き)、数字だけ殴るように書いて、サインは無視しました。
なんだかきな臭いことになってきたぞとは思いながら、車の中にいますから逃げるわけにもいきません。結局、SMモールから20分ほどでその人たちの家に着いたのです。
続く
あつし