[前回の続き]
2.ちゃんと準備する
普段からお酒を飲む可能性のある人はいわゆる「飲む前に飲む」的な錠剤等を常備しておく。
お酒のために胃腸薬を持っているだけで周囲からは飲んだくれ扱いされますが、これを飲むだけでかなり違います。
個人的なおすすめは佐藤製薬の「レバウルソ」。
そして飲んだ後はお菓子のラムネです。
私はラムネがアルコールの分解で消費されるブドウ糖の補給に良いと聞いてからは箱買いして、欠かさずラムネを食べています。
体調面では睡眠不足や飲酒前の空腹もよくないです。
また、普段から身体を鍛えてウェイトアップしておきましょう。体が大きい人はアルコール分解量が多く、筋肉が多い人は血中アルコール濃度があがりにくくなります。10kgも増やせば十分です。
3.主体的に飲む、または飲まない
これも大事。
自分の好きなお酒、把握しているお酒を適度に飲むということです。
勧められるままによくわからない強いお酒を飲んだり、日本酒やワインを口にしたり、空気にあわせて、「じゃあ私もビール」と飲むのはお酒強くない人にとってはかなり危険です。
勧められた場合は、一旦断って時間をおいたり、水をはさむ。
4.醸造酒は1種類しか飲まない
「とりあえずビール」とよく言うように、発泡性のアルコールは吸収されやすく酔いがまわるのが早いので1~2杯目には最適ですが、ビールの酔いが消えないうちにワインを飲むのはよくないです。(ビールによる血中アルコール濃度は飲んだ後、30分がピークで徐々に覚めていきます)
特に飛行機の機内や高地など、気圧の違う場所で醸造酒を飲むことはアルコールに強くない人にとってかなり危険です。
5.遺伝に逆らわない(飲まないという選択肢・・)
悪酔いの原因となるアセトアルデヒドを無害にする酵素の強さでヒトを分類すると、活性型(アルコールに強い人)・低活性型(弱い人)・非活性型(まったく飲めない人)の3つで、これは遺伝により決定され、非活性型というのは白人や黒人には見られず、アジア人(モンゴロイド)にしかいないそうです。
アルコール以外でも代謝にかかわる遺伝は他の食物でも同様で、例えば牛乳の場合、ヒトが乳糖を代謝するにはラクターゼという酵素の働きが必要で、これがないと乳糖は消化管を代謝されずに通り抜け、乳糖不耐症という不快な症状を引き起こします。
ヒトの赤ん坊はラクターゼ遺伝子をもち、ミルクを代謝し生きることができますが、多くのヒトはその遺伝子が幼児期を過ぎると機能しなくなり、大人になると代謝できなくります。
それが、約10,000年前に中東に住む人々がヤギや牛を家畜化しミルクを飲むようになると、幼児期を過ぎてもラクターゼ遺伝子を機能させる変異を持つヒトが増え、今日、ヨーロッパ人の90%以上がこの変異遺伝子を持つようになりました。
一方でこの遺伝子を持たない、アフリカ人とアジア人の大多数は大人になると乳糖不耐症になるため、欧米人に比べ牛乳を消化できる量が少なく、大量に飲むとお腹を下す割合が高くなります。
ヒトは食物の代謝機能についてかなりの部分を遺伝に依存しており、お酒も元々飲めないヒトが酒豪になることはないのです。
「お酒が好きで多少飲めるけど、失敗したくない」ヒトは注意することでお酒の失敗は減らしたり、多少強くなることはできますが、アルコールに強いヒト(分解酵素活性型)になることはないですし、「飲めないと自覚のある
ヒト(非活性型)は飲まないようにしましょう。スプライト美味しいです。
※1.学校の先生は女性が多いためか、フィリピン人に対してお酒好きなイメージがなかったのですが、↓この記事によると全然違うみたいですね。誘われていないだけでした。。
http://www.philstar.com/news-feature/2014/02/06/1286936/infographic-filipinos-3rd-heaviest-drinkers-world
※2.フィリピンで日本の本が買えないので日本から持ってきた本を参考にしました。(「パンドラの種」スペンサー・ウェルズ著 化学同人発行)
豆男